本記事はこんな人にオススメ!
- 公務員希望だけど将来性があるのか気になる人
- 現役公務員だけど、このまま働き続けていいのか悩んでいる人
どうも!10年間勤めた関東某県庁を退職し、現在は都内でコンサルタントとして働いているレンです。
「公務員になれば一生安泰」「家族も安心」「人生の勝ち組」というイメージを持つ人も多いですよね。しかし、本当に公務員に将来性はあるのか、気になる人もいるのではないでしょうか。
結論から言うと、公務員という仕事がなくなることはありませんが、将来性はないと言えます。
本記事では、公務員の将来性が危うい理由について、4つのカテゴリに分けて解説します。
元中堅の公務員が、10年間の勤務の中で感じたり、統計から読み取ったりしている内容になっています。公務員のリアルな将来性が気になる人は、ぜひ参考にしてください。
公務員の将来性がない理由を4カテゴリに分けて解説します
まず本記事では、「将来性」を定年まで安定して食っていけるか?と定義します。
そしてこの安定を、以下の4つのカテゴリに分けて、それぞれ解説していきます。
- 給料・手当
- 組織体制
- 安定雇用
- 労働環境
公務員の将来性がない理由①【給料・手当(退職金)】

平均年収は減少を続ける
公務員の給与は、緩やかに下がり続けることが見込まれます。
公務員の給与は民間企業に準じており、民間企業の平均年収もまた下がっているからです。
民間企業の平均年収は1997年の467万円を頂点に右肩下がりとなり、2009年には406万円まで落ち込みます。(JIJI.COM「国税庁の民間給与実態統計調査」)
2020年には433万円に回復しましたが、この10年間はほぼ横ばいです。(令和2年分民間給与実態統計調査結果概要P.20より)
そのため、民間企業の給料は「緩やかに下がってきている」と言わざるを得ません。
公務員の給与が民間企業に準拠している以上、今後も大きく上がることは考えづらいでしょう。
退職手当も減少を続ける
公務員の退職手当もまた、下がり続けることが見込まれます。
退職手当の支給額は、ざっくり以下の計算式となり、基本給も掛け率もマイナス改定が続いているからです。
退職時点の基本給〇〇円 × 勤続年数に応じた掛率〇〇
実際、次の表を見ると一目瞭然です。平成18年度の平均支給額27,341千円に対し令和2年度は21,648千円。
この15年間の間に約600万円も下がっていることがわかります。(総務省調査)
【表:47都道府県の一般行政職における60歳定年退職者の平均支給額の推移(千円)】

今後、増額改定される要因も想定しづらいため、給料と同様に退職手当も下がり続けることでしょう。
公務員の将来性がない理由②【組織体制】

減り続ける職員
公務員の職員数は減り続ける一方で、今後大きく増えることはないでしょう。
国等が経営していた企業が一般企業となる民営化の推進、少子高齢化による生産人口の減少などを理由に、組織自体が縮小されていくからです。
実際、地方公務員の人数は平成6年の3,282千人をピークとして緩やかに減少を続け、令和3年には2,801千人にまで下がりました。(総務省調査)
政府も、民営化などを推進し、「小さな政府」を目指してくことを明言しています。
また、日本の公務員の割合は1000人あたり約31人と、先進国と比べて最も低い割合です。
今でさえこんなに低いのに、今後ますます人口が減少していく中、公務員が増えることはほぼ考えられないでしょう。
公務員の必要性がどんどんなくなっていく
公務員の必要性は、今後ますます低くなる一方です。
財政難や急激な社会変化、専門性が求められる時代に対応するため、民営化の推進や、仕事を民間に流したり外部人材を登用したりする必要があるからです。
要は、公務員だけでは社会のニーズに対応しきれなくなっていると言うことです。
例えば、民営化の主な事例を挙げると次のとおり。
郵便局、高速道路、鉄道(JR等)、NTT、KDDI、タバコ(JT)、バス・・・。
ウィキペディアで「日本の民営化の一覧」を検索すると、「えっ?この企業も元は公企業だったの!?」と驚きますよ。
また最近は、民間から優れた企画提案を募集するプロポーザル、公共施設の管理者に民間を指定する指定管理者制度の事例も増えてきています。
【実体験】わたしが過去に配属された部署では・・・
わたしがとある部署に配属された際、任された仕事のほとんどが外部委託と言うことがありました。
私がやる仕事なんて、定期的な委託料の支払い、次年度の業者選定、契約締結、定期打ち合わせくらいなものです。
公務員自身でやらなければいけない仕事がなくなることはないとは言え、事実として、公務員の大多数が不要になってくるでしょう。
財政基盤が保てなくなり財政破綻や合併が増える
過去に話題になった夕張市のように、財政難により財政破綻や合併する自治体は増えることが見込まれます。
少子高齢化に伴い生産人口が減少して医療福祉費が増大するだけでなく、人口そのものが減り続けているからです。
特に人口は、ほぼ確実に予測できる数少ない指標の一つです。
そして今から30年後の2050年には、日本の人口はピーク時の2004年と比べて約3,300万人減ると予測されています。(総務省推計)
人口が減れば、その分税収も下がります。さらに、高齢化によって医療・福祉等、更なる財政負担が見込まれる中、自治体運営は今後ますます厳しい状況となっていくでしょう。
公務員の将来性がない理由③【安定雇用】

早期退職勧奨の増加
おおよそ定年前15年以内のビジネスマンを対象に、退職者を募集する早期退職勧奨は、公務員業界でも広がりを見せています。
弁護士の橋本徹氏が大阪市長時代に積極的な早期退職勧奨を実施し、昨年比2倍の退職者が出たことは有名ですよね。
この早期退職勧奨の目的は、組織の若返りや年齢分布の適正化などさまざまですが、大きな理由は人件費の削減です。
自治体が計上する予算の内訳で、人件費はなんと3〜4割前後も占めます。今後ますます厳しくなる財政状況を考慮したとき、一番削りやすいのは人件費です。
早期退職勧奨も増え続け、中年になればなるほど肩身が狭くなるでしょう。
あと十数年で終身雇用が崩壊する
いくつもの名だたる大手企業が、終身雇用は維持できないと言いますが、これは公務員も例外ではありません。
その理由は大きく3つです。
- たくさんの公務員を雇用できない財政状況になる
- AI化、システム化、外部委託化により公務員の業務が減少する
- 急激な社会変化等に対応するため、事務が主の公務員ではなく、専門性を有する外部人材の登用が必要になる
これは、地方自治体の中でも最先端を走る生駒市の、小柴市長の著書「公務員の未来予想図」でも言われていることです。
財政的な余裕はない、仕事の総量は減っていき、より専門性が求められる。
このような未来になっていく中、新規採用から約40年間も職員を雇用し続けるなんて、とてもじゃないけど対応しきれないですよね。
ほぼ確実に年功序列制度がなくなる
生駒市の小柴市長の著書では、年功序列制度は終身雇用よりも早く見直されると述べられています。
その理由も上記と似たようなものですが、仕事のできるできないに関わらず、全員一律に給与を上げていく年功序列制度は、シンプルにお金の無駄だからです。
実際、公務員試験を廃止し、能力重視で採用を決める自治体も近年急増しています。
一度公務員になれたら安泰、ではなくなり、今後は向上心を持ち続けることが求められていくでしょう。
公務員の将来性がない理由④【労働環境】

公務員の労働環境はけっこう最悪なので、これでも本当に安定していると思うのか、考えてみましょう。
具体的には、公務員は外部との癒着を防ぐ等の観点から、数年で必ず異動になります。そのため、
- 今の仕事が自分にどうしても合わない、つまらない。
- 今の仕事が忙しすぎる。毎日残業、土日出勤も。
- どうしても嫌いな上司がいる。
という状況が、民間企業と比べても起こりやすいと言えるでしょう。
自分がこのような状況になった時、「数年ガマンすればいいや。」と耐えられるでしょうか?
下記の記事でも解説していますが、公務員は「公務員にしがみつくしかない」状況に陥りやすい業種です。
給料も大して高くないのに、労働環境も最悪。果たしてこれでも、本当に安定していると言えるのでしょうか。
【公務員=安定のウソ】よくある誤解と偏見3選

ここまで公務員の将来性が危うい理由を解説しましたが、

なんだかんだ公務員になれば安泰でしょ?民間より優遇されているし。
と思う人もいるでしょう。
しかし、この優遇というイメージは「公務員叩きによるうっぷん晴らし」のために、メディアが情報操作していることが、多々あります。
よく取り上げられる公務員バッシングについて、「実は」のリアルな反論を解説していきます。
公務員は給与面で優遇されている
令和3年における地方公務員の平均年収は約630万円なのに対し、民間企業は約430万円。民間の約1.5倍も給与を得ている公務員は優遇されている。と言うものです。
そもそもこの調査、同じ基準で統計を取っているものではありません。
公務員は正規職員を対象にしているのに対し、民間企業の調査では、パートやアルバイト等の非正規も全て含まれています。
つまり、半日勤務だったり、週5勤務ではなかったりする人も含まれているのです。民間企業の平均年収の方が低く出るのは当然ですよね。
公務員はクビにならない
公務員は一度就職すれば終身雇用が確約されているというものです。公務員でも免職(クビ)に関する法律はあるので、そもそも終身雇用が担保されている訳ではありません。
また、早期退職勧奨も進んでおり、多くの自治体で毎年一定数の職員が早期退職しています。
というか、民間企業だって労働者は労働基準法でガチガチに守られています。
いくら仕事ができない従業員がいても簡単にはクビにできないし、リストラだって簡単には強行できません。
公務員が多すぎて国全体の財政を圧迫している
そんなことはありません。
公務員の人数は減り続けているにも関わらず、国の財政赤字はふくらみ続けているのが現状です。
また、上述のとおり、日本の公務員の割合(千人あたりの公務員数)は、先進国と比べて最も低いので、公務員が多いから赤字という理屈は成り立ちません。
財政赤字の本当の理由を隠すために、批判の矛先を公務員に向けているようにも感じますよね。
公務員という仕事はなくならないが将来性はない

本記事では、公務員の将来性がない理由を4つのカテゴリ(給与等・組織体制・安定雇用・労働環境)に分けて解説しました。
国・地方自治体・政府という概念・仕組みがある以上、公務員の仕事がなくなることはありません。
しかし、その将来性は非常に危ういということが少しでも伝われば幸いです。
コメント